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2006年 03月 26日
僕が初めて総合プロデュースをしたのは住まいの木工房むっくのプロジェクトだ。
かれこれ7年前の冬。佐賀県工業技術センターの川口氏から、佐賀の建具屋の若いグループをプロデュースしてみないかと打診があった。コピーライター専業から、モノづくりへの直接的関わりを指向している当時、それは願ってもないオファーだった。 当初から、おおまかなイメージはあった。建具屋だからって建具じゃなくてもいい。建具屋の木工技術は、大工よりも家具職人よりも繊細だ。僕は、その技術の転用を考えていたのだ。まずは、シンプルでベーシックな家具へ。 すでに、むっくは自力で家具を作っていたが、いかんせん、デザインがダメだった。技術とデザインの違いを理解してもらい、プロダクトデザイナーの原久雄氏を引き合わせ、デザインを注入することにした。コンセプトは「無垢材を多用し、舐めても安全な自然塗料を使うこと」。塗料は東京のアトリエベルと共同開発した自信作である。 さまざまなメディアへの登場や口コミのお陰で、徐々に名前が浸透し始めた。そのうち、「家具と同じコンセプトの住宅はやらないのか?」という問い合わせが出始め、それではと、《むっくハウス》の考えをまとめ、建築家をコーディネートしていた02年春頃、最初の施主が現れる。長い設計期間を経て、03年の冬に竣工した喜びはいまも忘れることができない。 全国的にも珍しい、建具職人が作る住宅。これまでに5軒が竣工。数件が設計途上。問い合わせが増えている。新築、リフォーム、家具、建具。 今年、むっくは一段と忙しくなるだろう。
by ezoenaoki
| 2006-03-26 23:06
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