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2006年 06月 15日
ついに雨が降り出した。治したと思っていた箇所からよもやの雨漏り。悔しい。
雨が漏るのは家のあちこちが痛んでいるからで、それは一般に言えば老朽化ということになるのだろう。別府でプロデュースしている旅館山田別荘は、この家と同じ頃に建った元個人別荘である。旅館はどこでも繁盛に合わせて増築を重ねるために、全体のバランスが崩れやすい。山田別荘も同じ悩みを抱えていた。 加えて、老朽化による雨漏りなどの支障が追い打ちをかける。そこで、多くは新建材などを使って、安普請なリニューアルをやってしまうのだ。その場所に永く身を置いていると、古いものは悪く、新しいモノについ惹かれてしまうのかも知れない。しかし、ここが最も怖い落とし穴である。 魅力はいったい何なのか。それを見極める必要がある。そしてこれが難問だ。お客にもさまざまなタイプがいて、多様な意見が出てくるから、これで経営者は混乱する。レトロとは、人によってはただのオンボロである。艶のある木の床を汚いと感じる人もいれば、雰囲気のいい白熱灯を暗いと捉える感性も存在する。勢い、経営者は揺れ続ける。 昭和レトロは大ブームだが、山田別荘をそんな流れに乗せる気はまったくない。また、軽薄な懐古趣味とも一線を画したい。時の詰まった空間を通じて、もっと普遍的な質感や情緒を伝えられると思っている。そして、そこで供される飲食。情報発信のあり方。等々。同一コンセプトに基づいたプロデュースは、いよいよこれから本番を迎える。 明日は、小鹿田(おんた)の坂元工氏に発注した食器のチェックに行く。
by ezoenaoki
| 2006-06-15 10:18
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